FC2ブログ
日独大学ジェンダー事情2
今日は少し重めのテーマを。

前日の記事では、ミュンヘン大学と東京大学で著しく男女分布が違うことについて書きました。特に理系=男性という構図はドイツでは比較的弱く、生物系は特に女性に人気があるようです。

研究者は男の仕事か


そんなミュンヘン大学も、こと教授の数となると話が違います。

ミュンヘン大学教授職における女性の割合…7.9%(2004)

学生の6割が女性の大学です。それが研究者、そして教授ともなると、男女比は12:1にまでなってしまいます。

ちなみに東大も3.3%です。33:1ですか。大学で女性教授に会ったら、メタルスライムを倒すより喜ぶべきなのです。

東大はこの際置いておくにしても、ミュンヘン大学においてここまで偏りが出るのは注目に値します。なぜ女性の研究者がこれほど少ないのでしょうか。残念ながら、討論会ではこれといった議論、結論は出ませんでした。仕事を持つ率はドイツでも女性は男性に比べて低いと思われますが、その差をかけてもおそらくここまでの差はでないでしょう。

ハラスメント問題


ちょっと脱線しますが、最近「アカデミックハラスメント(アカハラ)」が問題として取り上げられるようになりつつあります。ハラスメント、という言葉はセクハラのイメージがありますが、アカハラも性的な要因が関係することが多々あります。

アカハラとは、簡単に言えば教授の権力濫用による嫌がらせ行為のことです。上下関係を利用しているため、パワーハラスメント(パワハラ、企業内の権力濫用)の類型ともいえます。

まずは、教授と学生の関係において、
  • 学生のプライバシーの暴露
  • 単位や就職活動を盾にした脅し
などが考えられます。

一方、教員間における例としては、
  • 昇進における差別
  • 研究の妨害
  • 退職勧告
などがあります。

実例はこちら。
http://university.main.jp/blog/archives/002196.html
うーん、ここまでじゃなくてよいなら結構ありそうな気がするのは気のせいでしょうか。

研究室は密室空間


学生に対するアカハラも重大ですが、大学では教授会に人事権があるため、教職員間のハラスメントも非常に深刻です。アカハラはセクハラを伴う場合が多く、例えば交際を迫ったり、性的な行為を権力で容認させる場合、あるいはそれらの行為を拒絶されたことへの恨みから嫌がらせに走る場合があるようです。

もちろん性的な内容に限らないため、男子学生や男性職員が被害にあうこともあります。

この問題は研究室という空間が極めて閉空間的であるというところが一つのポイントになっています。第三者の目が届きにくく、ハラスメントの「口実」(授業内容が理解できていない、論文の取り組みが浅いなど)の真偽も一般的に見えにくいことが挙げられます。

そして学校の対応は遅れに遅れ、東大でも全学部にセクハラ相談室は設けられたものの、こうした被害に対応するのは難しいようです。このせいで女性の研究者が少ない、ということはないと思いますが、ただ労働環境として女性に劣悪な場になる可能性は否定できないと思います。



性差別はなくなったか


話を戻します(脱線長すぎた…)。ミュンヘン大学にも「セクハラ相談室」に相当するものがあります。それらをドイツ人女性は必要だと感じるでしょうか?

ミュンヘン大女性陣は見事なまでに、
「自分は必要としないけど、それがあることで安心する人がいるという意味ではまあいいのでは」
と口をそろえました。

中には「相談員は決まって性格が悪い」と大真面目な顔で演説する人も。厄介ごと好きというわけではないのでしょうが、セクハラがなくなると失業する、という背景もあるようです。

何よりも印象的だったのは、ドイツ人女性が揃ってこう言ったことです。

「ドイツでは女性差別はほとんど解消されている」

日本人女性は果たしてこう言えるでしょうか?


日本の性社会は彼女らにどう映ったのでしょうか。女子トイレの「紐」が警報ベルだと知って感心したり、相撲の土俵に女性が乗れないことを聞いたり、歌舞伎は男性だけの芝居だと知ったり、天皇の皇位継承問題を聞いたり…。様々なところで関心を持ったようです。

案内終盤のこと。護国寺に行ったとき、小さな銅鑼がおいてありました。お寺の人に、叩いていいですよ、と言われたS嬢。僕に真顔で聞いてきました。
S嬢「女性でも叩いていいの?」

「もちろん」と答えたこれだけのやり取りが、僕の心に残りました。
スポンサーサイト



【2005/09/24 01:10】 ドイツ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
| ホーム |