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プーランクの「もうひとつのかお」
設計の間は音楽に限ります。今回の本郷篭城のお供は、ズバリ「プーランク大全集Vol.2」。CD5枚の中に、あらゆる協奏曲、管弦楽曲、宗教曲が入っています。


音楽で例えば「合唱しか興味ない」というのを僕は常々損だと思っていますが、特にプーランクにおいて、合唱だけというのはつまらなすぎます。


曲には必ず成立背景があります。何を目的に作られたか、誰のために書かれたか。プーランクの合唱曲の場合、教会音楽に有名作品が多いため、合唱だけに注目することによって必然的に「教会のための音楽」しか聞けなくなってしまいがちです。


では、プーランクってどういうイメージでしょうか。第一印象はとにかくきれい。それにプラスして、内声の動きが激しく意味不明、という感じではないでしょうか。


ところが、それが教会音楽という前提を与えられたから、だとしたら。
声楽という「表現の楽器」のため、という前提で書いていたものだとしたら。


あらゆる音形が可能な楽器「ピアノ」を手に入れたプーランクは、完全に発狂モノです。


特におススメは「2台のピアノと管弦楽のための協奏曲」。ピアノ×2+オーケストラ、という編成ですが、嫌がらせもここまで来ると笑うしかありません。手元の全集には、なんとプーランク本人がピアノの片方を担当している録音が入っています。



「猫かぶり」との違い


さらによく聴くと、全く違うこの二つの「かお」が、意外と似ている、ということに気付きます。どちらの「かお」もプーランクの音楽そのもので、聴衆に妥協したところがない、こういうスタイルが僕は大好きです。


あと、CDの解説がうますぎてインパクト強烈でした。好みの問題かもしれませんが、しっかり聴いた上での「踏み込む姿勢」を見習いたいです。ちょっと長いですが、最後に抜粋します。


朝、部屋に射しこんでくる陽のあかるさや、隣の部屋から漂ってくる紅茶の香り、恋人との他愛ないおしゃべり―(中略)そんな基本的なありようこそ、こうした音楽家は作品として実現する。そしてこの日常は、日曜日教会に行ってお祈りを捧げることに、ごくあたりまえのこととして通じあう。

ゆっくりとものおもいに沈んでいるといっても、外界からの刺激は本人をそのままにしておいてはくれない。ぼんやりと街路を歩いていれば車に轢かれそうになるし、家に閉じこもっていれば電話がかかってくる。だが、パリという都会にはちゃんと避難所もある。じっくりと内省する場所が残されている。教会だ。



これを書いたのは小沼純一。こちらのページに、非常に分かりやすく学生向きに音楽や文章を語ってくれています。はぁ、読みたいものがまた増えていく…。
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【2006/01/24 20:52】 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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