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映画「点子ちゃんとアントン」
同名の小説、いや、「童話」の映画化です。エーリヒ・ケストナーは僕の大好きなドイツの童話作家。説教くさいところは本当に「お説教」ですが、鋭いまなざしをユーモアや温かさでたっぷり包んでくれます。


「点子ちゃんとアントン」(Puenktchen und Anton、1999年、独)



2人の小学生、点子ちゃんとアントンの友情物語です。

点子ちゃんはお金持ち。お父さんはお医者さん。お母さんは世界で活躍するボランティア団体の代表者。豪邸に住み、小学校へは車で送り迎え、家庭教師にフランス語を習います。

大好きなお父さん、お母さんは、仕事が忙しくて全然構ってもらえない。お母さんと一緒にいたい。なのに、お母さんは仕事ばかり、そして仕事の話ばかり。

「恵まれている」はずの点子ちゃんが、夜中にこっそり窓から抜け出し、ボロをまとって地下鉄の駅で「アイスクリームの歌」を歌います。「同業者」がアコーディオンで伴奏をつけてくれ、あっという間に黒山の人だかり。家に戻って小銭を数えて大喜びする点子ちゃん、マジかわいい(笑。


一方のアントンは母子家庭。お母さんはアイスクリーム屋で働くも身体が弱く、ついに病の床に伏せてしまいます。少年・アントンは母親の代わりにアイスクリーム屋さんで働いて、必死に母を看病する日々。


===========


世界の貧しい子たちのために働きながら娘が見えていない、点子ちゃんのお母さん。貧しいアントンを思わず毛嫌いしてしまう、点子ちゃんのお母さん。それが、徐々に点子ちゃんを、アントン一家を見つめ直していくのです。


子供たちが「出来すぎ」な分の不自然さは否めないけど、本当にあったかいドラマ。ケストナーの原作もそうだけど、この映画も、大人が見るべき映画だと思います。



別れの人生


就職活動中に思ったこと、その一つに、就職が人生最大規模の「別れの場」になるかもしれない、というのがあります。


小学校のクラスは、テンでバラバラ、人種のるつぼ、「同じ市に住む」が唯一の共通点。僕は12歳から私立中学へ、周りが「裕福な家の男子」ばかりになりました。大学は志高きエリート集団。そして、大学から社会へ。


どんどん人間関係は変わっていって、それを人は「広がる」というけれど、一方で自分の属性が徐々に決まっていって、その何が表に出るかによって付き合いが変わっていくだけ。アドレス帳の登録数件数は増えたって、関係はむしろ「狭まって」いるのかもしれません。


「優秀な人たちの中で働いてみたいと思いませんか?」

学生に投げかけた企業の言葉に、思わず裏を感じてしまいます。高学歴層の職場への期待は低学歴層への決別を意味し、高所得層の職場は低所得層との決別を意味し、ハンサムな職場はブへの決別を意味する。この質問に、何も考えずにうなずくことなど出来るわけがありません。


でも一方で負け犬の弁な気もします。もっとはっきり言えば、厳しい職場で自分に期待できる成長の魅力が、目先の「広さ」に及ばなかっただけだと思う。「広さ」なんて、エリートでも、見えている人は見えているもの。なのか。


今の僕には正直、よくわかりません。10年後にこの文章を見返したい気持ちです。




・・・映画に話を戻して。



わたしは あす あなたにあいたい


たぶん、点子ちゃんとアントンは、これから全く別の道を歩んでいく気がします。大人になったとき、二人の生活圏はきっと全然別のものになってしまいそう。少なくとも、そうなる可能性は高い。うんとうがった見方をすれば、この二人の友情は、小学生同士だから成り立ったかもしれないと思うのです。


エリートの点子ちゃんは、大人になっても貧しいアントンに会いたいと思うだろうか。でも、思ったとしても、アントンがそう思ってない可能性も高い。人柄じゃ、ない。社会。残酷。



ケストナーは原作の童話の途中で、いくつか「立ち止まって考えたこと」というコラムを書いています。ここで紹介するのは、有名なマリー・アントワネットのエピソード、でも、ケストナーはそれを笑い話で終わらせません。最後にそこから抜粋します。



(原作です)

 「パンが足りない?ならば、ケーキを食べればいいのに」
みんなは、王妃が貧しい人びとをからかって、そんなことを言ったんだ、と思うかもしれないね。ちがうんだ。王妃は、貧乏がどんなものか、知らなかったんだ!王妃は、たまたまパンが足りなければ、人はケーキを食べるもの、と思いこんでいた。王妃は民衆を知らなかった。貧乏を知らなかった。それから一年後、王妃が首をはねられたのは、そのためだった。

 みんなは、貧しいということがどんなにつらいか、もしもお金持ちがちいさいころから知っていたら、貧乏なんてわりと簡単になくせると、思わないか?みんなは、お金持ちの子どもたちが、「大きくなって、父さんの銀行や、土地や、工場をうけついだら、はたらく人たちをもっとしあわせにしてあげる」と言うと思わないか?だって、はたらく人たちは、子どものころ、いっしょに遊んだ仲間なのだから……。

こんなことができるって、みんなは信じるだろうか?
そうなるように力を貸そうと、みんなは思うだろうか?

 ― 「点子ちゃんとアントン」(エーリヒ・ケストナー作、池田香代子訳、岩波少年文庫)より



あくまで童話。

でも、大人の方がドキリとしませんか。



今日は会社の内定者懇親会です。
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【2007/05/17 15:48】 映画 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
点子ちゃんとアントン、見たいなぁ~
と思ったまま見てませんでした!
Tokuさんのブログ見てますます見たくなりました☆
【2007/05/18 23:10】 URL | toki #-[ 編集] | page top↑
初コメントサンクス☆
子どもの映画っていいよね~~!これはオススメだよ~。
「ふたりのロッテ」は見た?僕はあれが見たいです!
【2007/05/19 00:30】 URL | Toku #m3xkrDMA[ 編集] | page top↑
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