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ノーイクキュー・ノーサンキュー
就活中のイヤな体験。とある建築系企業での説明会でのこと。

社員さんが出てきて、「みなさんからの質問をざっくばらんに答えます」タイムのことです。「何でも聞いてください、何でも正直に答えます。」

一人の女性が手を挙げました。
「私は(工事)現場監督をやりたいと思っています。御社には、女性の現場監督はどのくらいいらっしゃいますか?

全国展開している企業です。とはいえ、建築の現場など、ヘルメットをかぶった屈強の男どもがワンサカいる場所。そのトップを志願する女性は、間違いなく少数派です。ある程度の答えは予想はしていました。でも。
社員「ゼロですね。ええ、全国でゼロです。

「全国でゼロ」というのもビックリですが百歩譲って仕方がないとして、こうまで開き直るか。てか2度言うか。心からそう思いました。質問した女子学生の顔にはっきり失望の色が浮かぶ。直前のグループワークで、理路整然たるプレゼンをした人でした。企業はこうして人材を失う。



続けて僕が手を挙げました。立って、質問。
僕「男性社員で育児休暇を取得する方はどのくらいいらっしゃいますか?また期間はどのくらいですか?」

前の受け答えを聞いた以上、はっきり言ってダメモト。しかし、答えは予想をさらに超えます。
社員「男性じゃ、いないですよ。まぁ、男で育児休暇なんてねぇ~
そう言って社員同士で顔を見合わせて笑います。

ざっくばらんすぎだろ( ̄〇 ̄;)


そこでいきなり僕に振ってきました。
社員「何?君は、じゃあ育児休暇欲しいわけ?」
僕「いや、そういうわけじゃないんですけれど…」

とっさに出た自分の言葉で、背筋が凍りつくのを感じました。たぶん、こうやって多くの人が社会に飲み込まれていくのでしょう。この日は一日中悔しかったです。あーあ、書いちゃった。

時代はまだ変わっていない。



大海知らずの専業主婦考(以下、長文)


企業戦士と専業主婦。どこにでもあるこのパターンですが、どこまでお互いに分かり合えてるのカナ、と学生は想像します。

  • 帰って最初に、「なんだフロ炊けてないのか」
  • 月に1度は電話に出たら?
  • ウチの子4年生だってば
  • あたしの名前は「おい」かよ

まぁ最後のとかはリアルひどいですけど、ちらちらと小耳に挟む話ではあります。

一方で、企業戦士側から見たら主婦ってどうなのか。
  • オレは1日15時間働いていて、
  • あいつはオレの金で食っていて、
  • 家事だ育児だというけれど、
  • 子供を学校に預けてテニスだ水泳だランチだヨガだ、
  • 近所の話はもううんざり

などと、本気で文句を「言わせれば」いくらでも出そうな気がしますが、不思議とこちらはあまり聞きません。満足なのか、無関心なのか、はたまたタブーなのか。でも、これで世の中の多くが成り立っているんですね。


まぁお互いにこういう不満を持ったらカンタンに破局するでしょう。ほとんどの夫婦が、寛容か、寛容という名の無関心で、うまく通ってきているはず。じゃあその背景には何があるか。


役割の影のバランス


外の仕事は労働時間も責任も半端じゃない、ただ、一方で刺激的なコミュニケーションが取れ、成果を挙げる喜びがあり、名前が残り、社会的な安定と信頼を感じられる。


一方、家庭の仕事。労働時間は子供が小さい間の24時間臨戦態勢の時期を経てしまうと、標準的な家事なら1日数時間で事足りるはず。窓を磨いたって夜更けに帰るダンナが気づいてくれるはずもなく、料理のレシピ開拓だってよほどじゃなければ5年も10年も続きはしない。子供の成長が生きがいだ、そう思って何が悪いか。


要は、企業戦士はハイコストハイリターンであり、専業主フ(若干の仕事をしている場合も含む)はローコストローリターン、それぞれ釣り合いは取れているのだと思うのです。だからうまく行ってる夫婦は意識上にしろ無意識下にしろその両面が「分かって」いるわけだし、逆にうまくいかずに相手を批判したくなったなら、その両面を見る努力が必要な気がします。「育児だって家事だって大変なのにアイツときたら」「テレビばっかり見てるくせにアイツは」というアタリは、事実でありながら冷静さを欠いた批判です。


時代の連続変化


つまり、企業戦士&専業主婦は、全く違う役割を持つことによって立場を相対化し、ハイコストハイリターンとローコストローリターンという微妙なバランスで多くの家庭が成り立ってきたのです。そこにはもちろん弱点もあった。
  • 夫の暴力に耐えながら30年尽くしてきて離婚となり、手に入るのは年金のみとなった女性。
  • 何から何まで妻にお膳立てしてもらい、定年退職した途端に生活の場を失い途方に暮れる男性。

企業戦士&専業主婦の中にある「ほころび」、そこをさらに改善したい。その想いが、兼業主フ、つまり仕事&家庭のダブルヘッダー増加の背景にあると思われます。


もちろん要因はそれだけではなく、女性の高学歴化や、女性が就業しやすい環境が整いつつあること、夫の経済基盤の脆弱化といったことも挙げられます。政治家諸氏が指摘するように、経済効率的にも共働きの方がよいでしょう(女性の企業戦士、男性の「専業主夫」もそれぞれ増加しているはずです)。1987年から2002年までの18~34歳の未婚女性の理想ライフコースとして「専業主婦コース」を挙げるのは、36.7%から20.1%にまで減少しています(内閣府「平成18年度国民生活白書」)。


現時点で、夫婦共働きが企業戦士&専業主フよりも「優れている」とか、そうで「あるべき」だ、などとは決して断言できません。分かっていることは、企業戦士&専業主フの従来モデルが、ある程度の安定性は発揮できるということ、しかしそこにまたハッキリしたデメリットや危険性がある、ということです。だから、時代は兼業主フ夫婦という未知の世界に踏み込んでいく。それは、「優れているから」ではなく、「挑戦したいから」なのです。

(註:専業主フが「時代の被害者」という言い方は、ある意味では正しいですが、基本的に的を得ていないと思います。、「総合的に考えて、あなたは現在の生活にどの程度満足していますか」という問いについて、有職者(正規社員・非正規社員・自営自由業)では5割前後であるのに対し、専業主婦の生活満足度は7割以上を示しているというデータもあります。(ベネッセ教育研究開発センター「研究所報VOL.37『若者の仕事生活実態調査報告書』」2006年)。正しい「ある意味」については後述。)


政治家が国を豊かにすることを考えるのは(場合による善悪はともかく)理解できないことではないので、専業主フに対する風当たりは多少強いものがあるでしょう。しかし、個人のレベルで専業主フは果たしてそこまで叩かれるものでしょうか。


複雑きわまる現状の問題


男性が専業主婦の悪口を「言わせれば」こうなるだろう、というのを前に書きました。しかし実際問題、家庭を守る女性をもっとも軽蔑しているのは、企業戦士の男性ではなく、働く女性である、という話もよく耳にします。それは非常に理解できる。働く女性とは、「世界が狭い自分」を振り払うようにして、そこまでたどり着いた人たち。家庭を守る女性を、自分が振り払ってきた「悪しきお手本」のように感じるのは半ば当然だと思います。


しかし現実は、まだまだ企業戦士の社会なのです。
  • 企業の長時間労働は、同じことを夫婦で行ったらどうやって子供を育てるのか分からないほどのところが少なからずあり、
  • 「成果主義」は拘束となって、兼業主フへの道に大きな障壁となり、
  • 労働時間が長い分だけ賃金もはずみ、配偶者が専業主フになるゆとりは十分すぎるほど
「働く」という行為自体に価値を見出さなければ、働かないことが合理的と思われても仕方がない状態が、いまだ現実なのです。

(参考:「平成18年度国民生活白書」によると、95年から99年の間に結婚した女性の就業率は、結婚前には88.5%、結婚後には65.3%まで低下し、離職の理由として「結婚に伴う転居」を挙げた者が4割と多いのです。さらに、結婚後は65.3%であった就業率は、出産後には23.1%にまで低下します。)


教育にも大きな責任があると言えます。兼業主婦となれる女性は、努力ももちろんしたでしょうが、環境も少なからず整っていたと考えられます。「女性は家庭」、この価値観は幼少から中学の間に吹き込まれている可能性も否定できません。教育に突っ込むと長くなるので割愛しますが、本人の選択以前に与えられた「選択の根拠」の影響はバカにならないと思うのです。

(註:これが、満足にもかかわらず「被害者」であるという前述の「正しい意味」と考えられます。)



小さな社会と大きな社会


夫婦二頭立ての兼業主フ。日本人はいま未開の地に挑戦している真っ最中です。挑戦する側から見れば、専業主フなどさぞ「狭い」「安直な」考えでしょう。社会全体の利を考えれば、悪でさえあるかもしれない。


しかし一方で、企業戦士と専業主婦は、傷のある成果を残してきたことも事実。現実も、企業戦士向けの労働規則が少なくなく、専業主婦向けの子育て価値観が残り、そして専業か兼業かを「選べる」大人に、すでに旧来の価値観が本人の意思と関係ないところで刷り込まれてしまっています。何より、当人たちが納得している。


冒頭、就活の体験から、育児休暇の話を出しました。「男が育児休暇なんてねぇ」という旧態依然たる体質。頭にくるのをぐっとこらえて一歩引いて見たときに、女性の育児休業取得率が70%を超えているのに対し、男性の育児休業取得率が1%に満たない現実がありました(厚生労働省「平成16年度女性雇用管理基本調査」)。

(註:「機会があれば育児休業を取得したいと考えている」男性が4割を超えているという報告もあります(内閣府「平成18年度国民生活白書」)


批判するのはカンタンです。だけど、批判される側に、あまりにも現実的な必然性と合理性がある。罵り合ったって仕方がありません。大事なことは、極端な功利主義や全体主義、十把一絡げの本質主義に流されることなく、きちんと相手の立場を認めていくこと。その上で「未来に挑戦する」側としては、いかにその挑戦が魅力的なものであるかを示していくこと。当然、それは男女共通の課題です。



政治家でなくともすべきことはあります。
ある者は法で。
ある者は教育で。
ある者は日常で、自身の家庭で。


現実を受け入れて、思いやりを忘れずに。そして、出来ることを一つずつ。





(註:あーあ、上げちゃった。あんまりコメント荒らさないでくださいね。)
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【2007/05/22 01:59】 就活 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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